ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタは、ヴァイオリニストにとって外すことのできない大切なレパートリー。全曲録音は大きな挑戦となる。この秋、二人の若き日本人奏者が相次いで全集をリリースし、難関を突破した。演奏のアプローチは正反対といっていいほど違うが、 ...
日本フィルの11月定期は、フランソワ・ルルーの指揮とオーボエで、ラフの「シンフォニエッタ」、メンデルスゾーンの「無言歌集」より、同じく交響曲第3番「スコットランド」が披露された。
舘野泉は1936年(昭和11年)11月10日生まれで間もなく88歳、米寿を祝う。2002年に第2の故国フィンランドでの演奏会終演直後、脳溢血に見舞われて右半身に麻痺が残ったが、2003年には「左手のピアニスト」として奇跡の復活を遂げた。以後、息子でヴァイオリニストのヤンネ舘野の協力も得て、日本内外の作曲家に左手のための新作を委嘱して世界初演を続け、この分野のレパートリー拡充に心血を注いできた。
N響名誉音楽監督のシャルル・デュトワが久しぶりに同オケを指揮し、音の魔術師の面目躍如たる色彩豊かなサウンドで、アンサンブルをち密に構築して終演後には万雷の喝采を巻き起こした。デュトワのN響への登場は2017年12月の定期とこれに続く12月17日の福島 ...
日本フィルハーモニー交響楽団(JPO=平井俊邦理事長)は24日、「フレンド・オブ・JPO(芸術顧問)」の肩書を持つ指揮者の広上淳一、演出家の高島勲とともにオペラをサントリーホールにおいてセミステージ形式で上演する「オペラの旅」シリーズの制作発表記者会 ...
金管楽器の国内トップ奏者が集結したドリーム・チームがARC ...
現役最長老、97歳のマエストロ、ヘルベルト・ブロムシュテットが2年ぶりにNHK交響楽団の定期公演に登場、ABC3プログラムをすべて指揮した。22年、23年と2度の転倒事故以来、いすに座っての指揮が続いているが、彼がN響から導き出した音楽は老いをまった ...
北村朋幹はたしかに演奏家であるが、第一に、注意深い聴き手である。それは、今回をもって本邦初公開となったフォルテピアノ演奏でも変わらなかった。音は刻々と消え去る。けれども消滅と引きかえに、その先の予感のようなものを残してゆく。北村は、絶えずそれに耳を澄 ...
日本で1、2の数多くのクラシック音楽のコンサートを開催し、ランチタイムコンサートは1,000円。映画を観るより安い金額で、ココイチに入ってカレーを食べるくらい気軽に音楽を聴ける奇跡のようなホールが名古屋の中心地、栄にオープンしたのは2007年のこと。
今年のロッシーニ・オペラ・フェスティバル(ROF)は、開催地のペーザロが「イタリア文化首都」に設定されたため、上演されるオペラの演目数も、例年の3に対して4と多かった。加えて、最終日には演奏会形式で1夜かぎりの「ランスへの旅」も上演された。2つの再演 ...
宗教改革記念日の10月31日、鈴木雅明&バッハ・コレギウム・ジャパンがメンデルスゾーンの交響曲第2番「讃歌」(主催者の表記では、賛歌「聖書の言葉に基づく交響曲カンタータ」)を取り上げた。プログラムの前半には、J.S.バッハが宗教改革記念日のために書いたカンタータ第80番「我らが神こそ、堅き砦」が並べられた。この組み合わせは、1844年の宗教改革記念日にライプツィヒのゲヴァントハウスで演奏されたプロ ...
前音楽監督・上岡敏之指揮による新日本フィルのモーツァルト後期三大交響曲。作曲家在世当時の楽器や奏法を再現するピリオド(時代)のスタイルが広く浸透し演奏方法が多様化した現代において、モダン・オケが古典派作品にいかに取り組むのか、指揮者のセンスが問われる ...